特定目的会社とパススルー課税
通常、会社が利益を上げると、国や自治体に法人税を支払います。しかし、大きなプロジェクトでは、その事業のためだけに特定目的会社という臨時の会社を設立することがあります。
ここにパススルー課税というルールが適用されると、仕組みがガラリと変わります。
- パススルー(通り抜け): 会社が得た利益をそのまま投資家に配分すると、その分を「会社の経費」として差し引くことができます。
- 結果: 帳簿上の利益がゼロになり、その会社自体には法人税がほとんどかからなくなります。会社をただの通り道にする仕組みなのです。
タックスヘイブンとは
タックスヘイブン(租税回避地)とは、税金が極めて安い、または課税が完全に免除される国や地域のことです。
- 実質的な税逃れ
- 日本国内で事業を行い、日本のインフラを使っているにもかかわらず、特定目的会社を使うことで、海外のタックスヘイブンに資産を隠しているのと同じように、税金の支払いを回避できてしまいます。
地域住民にとっての大きな問題点
- 地域に還元されない
- データセンターは、電力や水資源などの地域インフラを使い、周辺住民の生活環境への影響も懸念されます。しかし、法人税がほとんど入ってこないとなると、自治体にとっては本来地元に入るはずの税金が消えていることになります。
- 持ち主が不透明
- 利益が海外へ流れる仕組みの場合、「誰が本当の責任者なのか」が見えにくくなり、対話や責任追及が難しくなります。
このような仕組みである上に、日野市で計画されている巨大データセンターは、いまだに事業主が企業名を名乗っておりません。
「法人税をほとんど払わなくても良い」という言葉の裏には、地域の資源を使いながら、利益だけが外(海外や投資家)へ吸い上げられてしまうという、現代の経済格差や地方自治の課題が隠されています。