なぜ、審議に必要な情報を隠したまま業者と協定を結んだのか?

コラム

何が起きているのか?

三井不動産による巨大データセンター建設に対し、環境への影響など詳細を知るための資料公開を求めました。
しかし、日野市はなかなか資料を公開しない一方で、裏では業者に対して「問題なし」という指導基準適合通知を出し、協定を締結していました。
これは市長が述べられた「市民に寄り添った対応」や「市民との合意形成を図っていく」という姿勢に反した行為ではないかと問題視し、審査請求書を提出しました。

時系列

  • 2025年12月8日
    三井不動産が市へ「見解書」「開発事業申請書」を提出。
  • 2025年12月18日
    審査請求人が市に対し、上記書類の情報公開請求を行う。
  • 2025年12月24日
    環境審議会が開催。審査請求人が「資料を審議に出してほしい」と要望したが、副市長は「確認中なのですぐには出せない」と回答。
  • 2025年12月26日
    審議会のわずか2日後、市は業者に指導基準に適合しているとの適合通知を出し、協定を締結。(1月13日に判明)
  • 2026年1月8日
    ようやく一部の書類が公開される。(請求から20日以上経過)
  • 2026年1月13日
    審査請求人が、実は12月26日にすでに協定が結ばれていたことを知る。
  • 2026年1月14日
    情報公開請求から27日が経過しても、依然として正式な開示決定通知が届かない不作為状態。
  • 2026年1月15日
    審査請求書を提出。

主な問題点

意図的な情報の隠蔽?

日野市の条例では速やかに公開すべき資料を、市は1ヶ月以上も引き延ばしました。その間に業者との手続きを完了させており、「市民に中身を見せないまま進めようとした」疑いがあります。

審議会の無視

専門家や市民が話し合う環境審議会において、副市長は「資料は確認した上で公告縦覧する」と回答していましたが、その直後に市長名で適合通知を出しています。
「審議会の議論を反映させるつもりがなかったのではないか」と批判されています。

桁外れの環境負荷が隠されている

このデータセンター計画は、環境負荷が極めて高いことが指摘されています。

  • 電力消費量:日野市全域の約2.5倍
  • 建築面積:工場のアセスメント対象基準の12倍
  • 非常用発電機:伊豆七島すべての火力発電所を合わせた約4倍の規模。毎月定期点検で稼働し環境アセスメントの対象規模を大きく上回るにもかかわらず、非常用を理由に環境アセスメントをしない
  • 燃料貯蔵量:ガソリンスタンド74倍分の燃料貯蔵タンク

これほど巨大な影響があるにもかかわらず、業者は秘匿性を理由に詳細情報を出さず、市もそれを認めてしまったことは重大な問題です。

まとめ

日野市長が掲げている「市民に寄り添った対応」や「公正で透明なまちづくり」という方針に、今回の対応は著しく反しています。
「なぜ、審議に必要な情報を隠したまま、裏で早々に業者と協定を結んだのか?」
市に対して誠実な説明を求めています。

参考条例

日野市情報公開条例

(審査請求)
第19条 実施機関が行った公開決定等若しくは第14条第3項の公開決定又は公開請求に係る不作為について不服のあるものは、行政不服審査法(平成26年法律第68号)の規定に基づき、審査請求をすることができる。

日野市まちづくり条例

(開発事業申請書等の提出等)
第68条 事業者は、第62条第2項の規定による意見書の写しの送付がないとき又は第80条第1項前段の規定の適用を受けるときは、第60条第3項の事前協議申請書の公告の日の翌日から起算して30日が経過した後に、規則で定めるところにより、開発事業申請書を市長に提出するとともに協議しなければならない。
2 事業者は、第64条第1項から第3項までに規定する調整会の開催要請がなかった場合は第63条第3項の見解書の公告の日の翌日から起算して14日が経過した後に、開催要請があった場合で前条第4項の調整又は協議が整ったときは調整会報告書が市長に提出された後に、規則で定めるところにより、開発事業申請書を市長に提出するとともに協議しなければならない。
3 事業者は、第65条の調整会においても調整が整わない場合は、指導書の交付を受けた後に、まちづくりに関する施策等、第62条第1項の意見書、調整会報告書及び指導書の内容を十分尊重し、規則で定めるところにより、指導書に対する見解書及び開発事業申請書を市長に提出するとともに、市長と誠意をもって開発事業内容の指導書への適合及び周辺住民等との合意の形成に関し、建設的な協議をしなければならない。
4 市長は、第1項及び第2項の規定により開発事業申請書が提出されたとき又は前項の規定により指導書に対する見解書及び開発事業申請書が提出されたときは、速やかに、その旨を公告し、当該開発事業申請書の写し又は当該指導書に対する見解書及び開発事業申請書の写しを当該公告の日の翌日から起算して30日間公衆の縦覧に供しなければならない。

(指導基準への適合審査)
第69条 市長は、開発事業申請書が提出されたときは、その内容が、指導基準に適合しているかどうかを審査するものとする。

(指導基準への適合通知等)
第70条 市長は、前条の規定による審査の結果、指導基準に適合していると認めるときはその旨を記載した書面(以下「指導基準適合通知書」という。)を、適合していないと認めるときは修正等すべき内容及びその理由並びに修正等の期限を記載した書面(以下「開発事業計画修正等指導書」という。)を、規則で定める期間内に事業者に交付するものとする。
2 市長は、前項の規定により開発事業計画修正等指導書の交付を受けた事業者が、当該通知の内容に従った修正等をしたときは、指導基準適合通知書を交付するものとする。
3 事業者は、法第30条の規定による申請書の提出、宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項の規定による申請、建築基準法第6条第1項及び第6条の2第1項の規定による申請、法第32条の規定による同意及び協議その他土地利用等に関する法令又は他の条例に基づく申請、届出等を行う前に、前2項に規定する指導基準適合通知書の交付を受けなければならない。
4 市長は、第1項又は第2項の規定により指導基準適合通知書又は開発事業計画修正等指導書を交付したときは、速やかに、その旨を公告するとともに、当該通知書の写しを当該公告の日の翌日から起算して14日間公衆の縦覧に供しなければならない。

(開発事業に関する協定)
第71条 市長及び事業者は、当該開発事業について、第68条第1項、第2項又は第3項の規定による協議が整った場合は、前条第1項又は第2項の規定により市長が指導基準に適合していると認めた後に、当該協議の内容を記載した書面(以下「協定書」という。)を作成し、協定の締結を行わなければならない。
2 前項に規定する協定の締結は、法第30条の規定による申請書の提出、宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項の規定による申請、建築基準法第6条第1項及び第6条の2第1項の規定による申請、法第32条の規定による同意及び協議、宅地造成及び特定盛土等規制法第50条の規定による意見の申出その他土地利用等に関する法令又は他の条例に基づく申請、届出等を行う前でなければならない。
3 第1項の規定は、同項に規定する協定の内容を変更する場合について準用する。ただし、規則で定める軽易な変更については、この限りでない。
4 市長は、第1項の規定により協定の締結を行ったときは、速やかに、その旨を公告するとともに、当該協定書の写しを当該協定の締結の日の翌日から起算して14日間公衆の縦覧に供しなければならない。
5 前項の規定は、第3項の規定により変更の協定の締結を行った場合について準用する。

日野市まちづくり指導基準

(周辺住民等への配慮)
第7条 事業者は、開発事業の施行に当たり、騒音規制法(昭和43年法律第98号)、振動規制法(昭和51年法律第64号)、都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(平成12年東京都条例第215号)及び日野市環境基本条例(平成7年条例第18号)等関係法令を遵守し、工事方法等について周辺住民等への影響を十分配慮するとともに、工事の騒音、振動及び電波障害等による周辺住民等への被害防止について最善の措置を講ずるものとし、工事施行前に周辺住民等と協議の上、工事協定を締結するよう努めるものとする。なお、開発事業の施行により与えたすべての損害について、周辺住民等と協議の上、事業者がその責を負わなければならない。

日野市環境基本条例

第23条 環境の保全等に関する施策の推進について調査審議させるため、市長の附属機関として、日野市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、次に掲げる事項を調査審議する。
(1) この条例によりその権限に属せられた事項
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全等に関する基本的事項
3 審議会は、前項に掲げる事項を調査審議する場合において、必要があると認めるときは、環境に関する情報その他の資料の提出を市長に求めることができる。
4 審議会は、環境の保全等に関する重要事項について必要があると認めるときは、市長に意見を述べることができる。
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